テストステロン補充療法って?
男性ホルモンが減少してしまうと、鬱状態になってしまったり、身体にも様々な異変が起こることはこれまでに説明をしてきました。では男性ホルモンが減少した時にはどうすれば良いのでしょうか?
最も一般的な方法としては、減少してしまったテストステロンを補充してあげる、ということです。ホルモン治療が進んでいるアメリカではテストステロン補充療法の処方が2003年には200万件を超えているんです。
アメリカというのは、日本とは違って医師の処方箋を何度でも使用出来るので非常にたくさんの方がテストステロン補充療法を受けているんです。それに比べると、日本人でテストステロン補充療法を受けている人というのはわずか2万人です。
さらに、韓国などの近隣の諸外国と比べても日本ではテストステロン補充療法を受けている人の数というのは非常に少ないのです。
アメリカでは日本のように定年制というものが存在しません。そのため、100%終身雇用制度なんです。そのかわり、仮に昨日のことを忘れてしまったり、仕事に支障の出るような症状が出た場合にはすぐに解雇されてしまいます。そのため、物忘れが激しくなったり、仕事を続けることが不可能な状態にあんることはなんとしても避けなくてはなりません。
そこで重要になるのが男性ホルモンです。男性ホルモンの減少というのはこういった物忘れなどに関係しています。そのため、アメリカでは多くの方が積極的に男性ホルモン補充法を受けているんです。
ストレスを長期間感じ続けると身体の内面に大きな影響が・・
男性ホルモンというのはもともとは副交感神経に支配されているものです。副交感神経というのは食事をしたりセックスをしている時など、好きな事をしているときに優位になります。テストロンは精巣から分泌されていますが、精巣から男性ホルモンを分泌する、ということを命令しているのは脳の視床下部です。
まず、最初の司令が出されます。そして脳下垂体から次の司令が出る仕組みになっているのですがストレスがかかってしまうとホルモンを出す命令が出ません。それどころか、ホルモンを出すな!という命令に変わるのです。つまり、テストステロンが出ない、ということなんです。
男性ホルモンの量が減っている時というのはまずはその原因となっているものを取り除く必要があります。
ストレスによってテストステロンが減少してしまうとストレスホルモンであるコーチゾールが増加してしまいます。コーチゾールは扁桃体に働きかけ、悲しみや鬱の状態を大きくしてしまいます。
マウスに痛みを与えてストレスを感じさせると、最初のうちは痛みから逃れるために興奮をして動きまわります。しかし、長時間その状態を続けると反応をしなくなります。これも一種の鬱状態であるといえます。
このような状態の時には男性ホルモンは減少し、ストレスホルモンのコーチゾールが次々に分泌されているのです。ストレスを長期間感じ続けると身体の内面に大きな緊張を与えてしまう、ということをよく考えなくてはなりません。
男性ホルモン低下の原因はストレス!
男性ホルモンは男性の体に様々な影響を与える、ということは説明させていただきました。それでは、男性ホルモンはどのような事によって減少するのでしょうか?
男性ホルモン減少の最大の原因といわれているのはストレスです。人間のストレスに対する反応には交感神経と副交感神経が大きく関係しています。人間はストレスがかかることによって手の平が汗ばんだり冷や汗が出ます。さらに心拍数は上昇し、尿意を覚えることもあります。短時間かかるストレスも、長期間に渡って続く慢性的なストレスも交感神経が遊離になります。
例えば、人の非常に多い街中を歩いているとします。これが若い年代の男性であればそこまでストレスを感じることはないでしょう。しかし、これが高齢の方の場合には酷くストレスに感じるかもしれません。ゲームセンターの音、パチンコ屋の音、人の多さ、といった様々な事がストレスに感じるでしょう。目的地に到着した時にはグッタリと疲れ果ててしまっているでしょう。こういった時には副交感神経が活性化しています。
ストレスがすぐに解消されない場合には交感神経優位の状態がしばらく体の中で続きます。このストレスがかかっている状態の時というのは血圧が上がります。さらに血糖値が上がり、このようなストレスが長期間続くような場合であれば糖尿病を発症しやすくなってしまいます。交感神経優位の状態が続いてしまうとEDになってしまいますし、さらに朝勃ちも行われなくなります。
仕事のミス。イライラ。それ、男性ホルモンの影響じゃないですか?
40代から50代の男性というのは60代の男性に比べれば男性ホルモン値は高くなければなりません。しかし、朝起きた時の男性ホルモン値は60代男性よりも低い場合が多いのです。さらに、午後になるとその値はさらに低くなっていきます。
特に午後の3時頃というのは男性ホルモン値が最低になっているので、この時間帯の仕事というのはあまりおすすめできません。事実、男性ホルモン値の低い加齢男性性腺機能低下症候群と診断された男性の男性ホルモンを調べてみると、40代50代の男性のホルモンパターンと非常に良く似ているのです。40代50代の日本人男性の男性ホルモン値は確実に減ってしまっているのです。
さらに、男性更年期障害の原因となる男性ホルモン低下症は身体になんらかの症状が出る、というわけではなく、、自分は健康そのものだ!とおもっている中年男性でもチョットしたことが原因となって発症してしまう可能性があるんです。
男性更年期障害は前にも書きましたが、突然怒り出したり、やたらと汗をかいたりといった身体にも心にも様々な変化が起こる病気です。これが過程の中だけであればまだ良いのですが、仕事においてこのような症状が出てしまった場合には非常に問題です。仕事のミスはもちろん、物忘れも激しくなり、自分自身にも周囲にもイライラをぶつける・・・そんなことにも十分なる可能性があるんです。
男性更年期生涯は自分の家庭だけでなく仕事においても様々な影響が出る、ということを頭に入れておきましょう。
朝勉がイイのは男性ホルモンの働きからくるものなんです。
20代から30代の男性の男性ホルモン値は朝は高く、夜は低い、という傾向があります。このような傾向のことを日内変動といいます。これは男性ホルモンだけに限らず、副腎皮質刺激ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの値も朝に高くなるんです。
さらに詳しく男性ホルモン値の変動を見ると、男性ホルモンは昼食を摂ると少しだけ上がります。60代以上の方の場合には男性ホルモン値というのは朝に下がり、昼頃には若干上がるものの1日を通して大きな変動はありません。年齢を重ねるとホルモン値は1日を通して大きくは変動しないようです。
男性ホルモン値というのは夕方からよるにかけて下がっていきます。しかし、22時から翌1時までの間に上昇します。ここでしっかりと睡眠をとっていないと、男性ホルモン値は上昇しません。
男性ホルモン値が高い、ということは決断力と集中力のある状態です。つまり仕事もよくはかどります。つまり、前日にはしっかりと寝て、翌日の朝に集中して仕事をするほうが何倍も効率が良くなるんです。
最近はビジネス本などが数多く販売されていますよね。こういった書籍にはどうすれば仕事の効率が上がるか、どうすれば毎日を無駄なく過ごせるか、といったことが書かれています。こういった書籍のなかではほとんどが朝の時間が重要であるといわれているんです。
重要なこと、決断しなくてはならない事というのは、必ず朝行うようにしましょう。そうすることでより良い結論を出すことができるかもしれませんよ。
男性ホルモン値は唾液で簡単に知ることができる
男性ホルモン値というのは血液検査でも知ることができます。しかし、最近では唾液でも測ることができるんです。男性ホルモンのほとんどを占めているテストステロンは血液中ではタンパク質とくっついています。
そのため、全体のごく一部しか活性化はしていません。そのため、血液の中に含まれている男性ホルモンを全て測ったとしてもあまり意味はないのです。あくまで活性化してしっかりと働いている男性ホルモンを測る必要があります。
この唾液での検査ではこの実際に働いている男性ホルモン値を測ることができるんです。また、血液検査に比べればその検査費用は非常に低く済みます。
男性ホルモンというのは血液中だけでなく、唾液や尿の中にも含まれています。妊娠検査薬などでもわかると思いますが、妊娠をすると胎盤内で女性ホルモンが大量に生産されます。
その尿の中に出てくるホルモンを測定して妊娠をしているかどうかを測定するのです。男性ホルモンを測定する場合には尿よりも唾液がより図りやすいといわれています。
唾液中のテストステロン値は血液中に存在する遊離テストステロン値とほぼ同じであるといわれています。そのため、血液から男性ホルモン値を測るよりも唾液から測る方が正確に測定することができるんです。また、唾液中のテストステロンは常温保存の場合でも2,3日はもちます。
唾液での検査は費用も抑えることができ、なにより正確な測定を行うことができるんです。
男性ホルモン受容体を持っていないマウスはメタボで鬱
生物学というのは非常に進歩しています。その進歩によって細胞や実験動物を使用することによって遺伝子の量を調節できるようになりました。膨大なDNAから必要な遺伝子を見つけ、切り取ってから違う細胞で作用をさせるのです。
さらに、近年では身体の中で実際に働いている遺伝子を取り除いたり、ある臓器でのみ働かせることまで可能になっているんです。このような働きは、まずは線虫などで試みた後に哺乳類であるマウスで応用します。
この技術を応用することで、見た目は普通のマウスであるにも関わらず、サイズは通常のマウスに比べれば半分以下、さらに脚だけが異常に大きなマウスなど、遺伝子を操作をすることによって様々な特徴を持たせることも可能なのです。
こういった遺伝子操作技術を仕様することによって男性ホルモン受容体のないマウスを東京大学の加藤先生という方が作り出しました。このマウスの雄は男性ホルモンの量は十分にあります。しかし、受容体がないために働くことができません。すると、このマウスは性器の発達が不十分で、さらに内臓脂肪をたくさん蓄えた肥満のマウスになったのです。
さらに、マウスというのは本来であれば非常に社交性のある動物なのですが、社交性を失ってしまい、さらに鬱の症状が出るようになったのです。このマウスを見てもわかるように、男性ホルモンがメタボリックシンドロームに大きく関係しており、さらに鬱病にも関係がある、ということなんです。
メタボ解消には運動が一番
メタボリックシンドロームの改善には体重を減らし、運動を行うのが最も基本的な治療法です。この時にどの程度の運動をすれば良いのか、というのは運動強度×運動時間で計算するEXという単位を基準とします。
1週間のうちに23EXが必要な運動量の最低ラインになります。これは毎日20分のウォーキングを行い、さらに週に1日のジョギングを行う運動量です。しかし、運動が必要であるということは分かっていても、その運動によって何が改善されるのか、ということに疑問を持つ方も多いかもしれません。
カロリーを消費することができるのは誰もが知っていることだと思います。しかし、メタボリックシンドロームを解消するために重要なことはカロリー消費ではありません。運動によって解消されるインシュリン抵抗性が重要なのです。
簡単に言うと、摂取したカロリーを運動によってより効率良くしようすることができるようにする、ということなんです。運動をすると血糖値が下がってしまいますが、交感神経系の興奮を抑えることもできるんです。
不眠症には運動が効果的であるといわれていますが、実はこの交感神経の興奮を抑えることができるからなんです。
また、厚生労働省の調査によると、高齢者が運動を行うことによって、男性ホルモン値が上がるということが分かったんです。運動することによって男性ホルモン値が上がり、メタボリックシンドロームの改善に役立ち、さらに健康にも良いのです。運動というのは健康のためにも男性ホルモンのためにも欠かせないことなんです。
男性ホルモンと内臓脂肪の関係
男性ホルモンが十分に分泌されている時というのは筋肉や骨がしっかりとしているので内臓脂肪の蓄積は少ない状態です。そのため、男性らしい引き締まった体型を維持することができます。ほとんどの男性は20代までは多くの方がスリムな体型をしています。
しかし、テストステロン値が下がってしまうと内臓脂肪が増えてきます。さらに、男性ホルモン値が低い人に男性ホルモンを外部から補充してあげることによって内臓脂肪の量が減っていき、筋肉量が増える、ということも実証されているんです。
メタボリックシンドロームにも男性ホルモンは関係しています。メタボリックシンドロームというのは内臓脂肪量が120㎡以上で、血圧、コレステロール、血糖値のうちの2つ以上が基準をオーバーしてしまっている状態です。
実は、男性はこの20年間ですべての年代において肥満者数が増加しています。若年層の女性にも肥満が増えていますが、高齢者に限っては逆でスリムになっていっているんです。更年期以上の女性というのは非常に健康意識が高いためにこのような結果になっているのでしょう。
このメタボリックシンドロームになる人というのは男性ホルモン値が低いということがわかっています。メタボリックシンドロームになる人というのは心疾患や脳血管疾患などの病気を発症しやすいといわれています。こういった一面からも、メタボリックシンドロームには極力注意をする必要があります。それは男性ホルモン値にも注意をしなくてはならないということなんです。
もしかして男性更年期なの?
ここまでに男性更年期の怖さなどを書いてきました。読んでしまうと必ず自分も男性更年期なんじゃ・・・と不安になってしまいますよね。現在では男性更年期を自分で確かめることができます。
AMSというものなのですが、これは身体症状や精神症状、性機能症状の17つの項目からできています。これらを5段階評価で記入するのです。この記入した数字を合計して、26以下であれば正常です。
しかし、27から36であれば軽度の更年期障害です。37から49であれば中等度の症状です。そして50以上になれば重度の更年期障害の可能性がありますので、すぐに病院に行ってみましょう。
この他にも、日本人のデータを基につくられた熊本式調査票というものもあります。この2つの違いですが、AMSの結果というのは症状がどの程度なのか、ということと治療の効果を判断する際に用いられます。
しかし、熊本式は引退症状や精神症状、性機能症状のどこに問題があるのかを判断する際に有効な方法です。また、自分はAMSのスコアが高いから男性ホルモン値が低い・・・というわけではないです。
男性ホルモン値というのは人によって全く違います。そのため、基の値がわからないことには男性ホルモン値が高いままなのか、それとも低下しているのか、ということは判断できません。
また、更年期の症状が重い場合には治療の1つとして男性ホルモン補助療法を行うことになります。男性ホルモンを外部から補充してあげる、ということです。